事の顛末

以前巨大な台所生命体Ｇが出たと大騒ぎをしておりました。
そのＧは…イマ………

私が台所生命体Ｇと出会ったのは日付も変わろうかという夜中、居間で久しぶりのアルコールを片手に寛いでいる時でした。
ふと天井を見上げると黒光りするフォルムの彼がいました。
壁と壁と天井の交わる三角コーナー、彼はそこをひたすらウロウロすると廊下へ続くドアを挟んで反対側の三角コーナーへ、尋常ではない速さで移動していきました。

一方私は彼のそんな姿にアルコール片手にひたすらア然。
彼が壁を伝って下降して来たのをみて急速に我に返りお風呂場へ駆け込みました。
そこには勇猛果敢な肉団子……いやいや、不要なところが豊満過ぎるボディの妹が湯舟に浸かって瞑想中でした。
「か弱いお姉ちゃんにはムリだよッ！」
という私の訴えに「勝手にすれば」とそっけなく答えつつもゆっくりゆーっくり瞑想する肉団子…いやいや、妹。
仕方がない…か弱いお姉ちゃん…やるしかない…
そう思い立ちまずは武器が必要だと思い台所に向かう決意をしました。
台所には殺虫剤や新聞紙などがある……ハズ…（最近見ない）

しかし台所に行くには彼のいる居間を通らなければなりません
意を決してドアを開き、中を覗きました
その時、床を徘徊する黒い物体が…
彼です。彼が私のいる廊下へ向かって一目散に駆けてきます
私は恥ずかしさのあまり、小さく叫んで扉を閉めてしまいました
しかし彼はそんなことに動じず悠々と扉の下をくぐり抜け廊下へ進出してきました
彼と私の距離は♪わずかに10cm♪
思わず飛びのき廊下に放置された椅子の上へ避難しました
彼は廊下をウロウロ徘徊し、私の方へ迫ってきます

いやっ止めてっ
そんな急展開はだめっ

「とぅッ！」
と仮面ライダー（初代）も真っ青の掛け声を出し椅子から飛び降り、ついでに彼を跨ぎ再びお風呂場へ。

「肉団子！…いやいや、妹よ、か弱い（以下略）」
「…（無視）…」
そこから私は妹…いやいや肉団子の瞑想が終わるのを待ちながら台所生命体Ｇについて携帯で調べる事にしました

そこでゴキに有効な手を二つ発見しました
一つ目は熱湯
ぐらぐら煮立ったお湯を浴びせると全身火傷で即死だそうです
これはイイ…
しかし、これを実行するには彼がいる廊下を突破して（もしかしたら戻っているかもしれない）居間を突破して台所まで行かなければいけません
うまく行けたとして、お湯も用意できたとして、いざ彼に浴びせる時に彼が天井にいたら…彼が即死する前にあたしが顔面火傷をする事は必至
………ムリやね

二つ目はアルコール
熱湯と同じく体が焼けて昇天するようです
ハッ！片手にはアルコール（但し飲み干している）
しまった！飲み干さなければ今頃ッ！と思いつつ読み進める
『97～98のスピリタス最強』
……片手にアルコール（カクテルパートナー4％）

「………妹ー！…間違えた、肉団子ー！か弱いお姉様を助けなさい！」




結局肉団子（新聞紙）、私（カビキラー）で追い掛けて玄関に隠れたところで放置して寝ました。

今回の教訓
「彼」はゴキブリ








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